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9/25避難する権利と賠償を求める集い 事務局報告

事務局からの報告

2011.9.25 事務局・奥森

はじめに

 野田首相は9月13日、所信表明演説で原発再稼働と増税路線を打ち出しました。国連本部で開かれた「原子力安全に関するハイレベル会合」では、「原発の安全性を世界最高水準にする」「核物質や原子力施設に対する防護の取り組みを強化する」と表明し、菅前首相が表明した「脱原発依存」すら投げ捨て、原発推進に向けた巻き返しをはかっています。

 9月11日~19日、再稼働反対、原発廃止の全国アクションが全国100カ所以上で行われ、19日の「さよなら原発集会」には、福島からの500人を含む6万人が全国から参加しました。「原発は廃止しかない」という強大なうねりが野田政権に立ちはだかっています。

「原発はいらない」とたちあがる全国の仲間とともに、原発の停止・廃止にむけた取り組みを大きくしていきましょう。
 
1 避難する権利の確立と完全な賠償を 

 福島第1原発事故という人災による放射能汚染は、福島県にとどまらず非常に広範囲に広がっています。そのため、多くの人たちが県外への避難を余儀なくされています。

 しかし、警戒区域、避難指示区域等以外からの避難(以下、区域外避難)は、「自主避難」と呼ばれ、避難先自治体による支援は、住宅の提供など限られた支援(ない場合もある)しかなく、避難先での生活や仕事、子育てなど、様々な課題に直面しています。

 文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会が8月5日に出した中間指針には、区域外避難者への賠償は盛り込まれず今後の検討課題とされていました。9月21日に開かれた審査会では、「政府が避難範囲を見直すまでの事故後1カ月程度の間に避難したケースについては損害賠償を認める方針で意見統一した」と報道されています。

 審査会で区域外避難者の賠償についての議論がされることは一歩前進ですが、ここでもまた、「どこまで認めるか」といった線引きの議論になっています。

 警戒区域、避難指示区域等からの避難者に対して、東京電力から損害賠償請求書が郵送されています。請求するためには、約60ページに渡って細かく記入しなければならないという手続きの問題に加え、避難が長期化すると精神的被害の賠償額が減るといった賠償内容についての問題点もあります。

 放射能から命を守るために避難することは当たり前の権利であり、誰にでも保障されなければなりません。本日の集いを契機に、避難する権利の確立と完全な賠償の実現にむけて、避難者と支援者が連帯して、取り組みを大きく進めていきましょう。

2 今後の取り組みについて

(1)地域交流(懇談)会の開催から地域会(グループ)づくり
  京都の避難先は、北部から南部まで広範囲に広がっています。山科団地や向島団地、桃山東住宅 など多くの避難者が入居している団地がある一方、数世帯しか入居していない団地や、行政による 住宅の支援が受けられずに自力で確保した方もいます。
  桃山の「ふれあいの会」の取り組みに続き、各地域で交流(懇談)会の開催から地域会(グルー プ)づくりを進めます。

(2)提供住宅の延長など避難生活の安定と生活保障の取り組み
 ・ 安心して住み続けることができる住宅の確保
    入居期間・家賃無料の延長、関連して自治体の支援策(水道料の減免)などの延長
 ・ 安心して生活するための雇用の確保
    避難者の雇用拡大、訓練訓練の拡充、訓練・生活支援給付の適用など
 ・ 生活の保障 
    生活保護制度の利用など
  → (1)の地域交流(懇談)会での要求・要望聞き取り、アンケートなどを行い、国や京都府・市、避難先自治体へ要請していく。
(3)賠償請求の取り組みを進めます
 ・ 法律家の援助を得て、賠償請求についての相談会を開催します
 ・ 当面、避難区域の賠償請求から進めていきます。
 ・ 原子力損害賠償紛争解決センターを積極的に活用します。京都にセンターを設置させる取り組みを進めます。
 ・ 原子力損害賠償紛争審査会の指針に、区域外避難者への賠償を正しく盛り込ませる取り組みを進めます。
(4)放射能被害を拡大させない取り組みを進めます
 ・ 行政に食品の放射能測定と公表を求めていきます。 
 ・ 放射能に汚染されたがれきの受入しないように求めていきます。
 ・ 京都、関西の各団体、市民の共同事業として「市民放射能測定所」を設立するための話し合いを始めていきます。
(5)原発をなくす取り組みに参加します。
 ・ 原発・放射能汚染から命を守る集い~対案は民主主義的社会主義
   10月9日(日)14:00~17:00 大阪市・阿倍野区民センター<小ホール>
・ 命を切り捨てる「原発・戦争・非正規労働」をなくそう!11・6団結まつり
   11月6日(日)11:00~15:00 大阪市・扇町公園
 ・ 12/11に予定されている反原発アクションに積極的に参加します。
(6)12・4年越しまつり(仮称)の開催について
 ・ 京都での避難生活の苦労をねぎらい元気で新年を迎えるための集いとして開催する。
   同時に、長引く避難の問題を社会的にアピールし、避難者要求の前進をめざすとともに、長期化する避難生活への支援をあらためて集中する取り組みとして具体化していく。
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◆ 「うつくしま☆ふくしまin京都-避難者と支援者のネットワーク」
・ 5/11 福島から避難してきた方2名と地元の支援者で夕食会を開催
   - 避難者はつながりもなく孤立しがちであることから、京都でネットワークを作って行 く必要性を話し合う。6月に交流会を開催することを決め、以後3回の相談会を持つ。
・ 第1回うつくしま☆ふくしまin京都-避難者の集い 6月25日(土)ひとまち交流館・京都
   - 避難するという選択は正しかった
・ 第2回うつくしま☆ふくしまin京都-たこ焼きパーティ&交流会
7月23日(土)六孫王神社神社境内、六孫王会館
   - 避難生活の困難に立ち向かうネットワークをめざす
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by fukushimakyoto | 2011-09-25 13:01 | 避難する権利と賠償問題