2011年 09月 26日
【報告】9・25「避難する権利と賠償を求める集い」
阿部さんと森川さんの講演、意見交換については、ustreamで中継され、現在も録画で見ることができるので、詳しくはそちらを参照してほしい。
http://www.ustream.tv/recorded/17492598
http://www.ustream.tv/recorded/17495157
ここでは、森川弁護士の講演の骨子と、避難の拡大と完全賠償に向けた今後の取り組みについて報告する。
森川弁護士は講演の中で、「避難する権利」に関して、「国際人権委員会の「国内強制移動に関する指導原則」では、国内避難民には「自然もしくは人為的災害の影響の結果として、またはこれらの影響を避けるため、自らの住居もしくは常居所地からのがれもしくは離れることを強いられまたは余儀なくされたもの」が含まれる」ことを指摘した。
「避難指示区域等以外からの避難(区域外避難者)は「自主避難」と呼ばれるがそうではない。避難を余儀なくされたのであり、賠償が認められなければならない」と強調する。そして、「避難するためには、『避難するか否か』を判断できる情報の開示と避難するための具体的な支援があってはじめて決断が可能である」と指摘した。
賠償請求については、原子力損害賠償紛争審査会中間指針は区域外避難者の賠償については盛り込まれず、9月21日の審査会でも「事故後1ヶ月程度の間に避難した人にのみ賠償を認める」とする姿勢を厳しく批判した。
森川弁護士は、賠償請求の方法として「東電への直接請求は賠償額が値切られるため好ましくなく、原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)を積極的に利用し、賠償水準を引き上げていくことが必要」であるとした。
また、「原発ADRは福島県と東京都にしか設置されていないが、各地に設置させるていくことが重要である」と強調した。そして、「区域外避難者の場合は、最終的には訴訟による解決が必要となってくる」とし、避難者は「まずは記録をつけること、これだけ大変な思いをしているということを記録しておくことが重要だ」と付け加えた。
森川弁護士は最後に、「原発事故は単なる災害ではなく、避難する権利を保障しなければならない。東電や国は原状回復を行い、完全賠償と謝罪をしなければならない」と強調し、東電や国にとって安上がりな解決は許さないと締めくくった。
報告の最後に、今後の取り組みについて触れておく。
1 福島などからの避難をさらに広げるために、京都から受入情報を発信していく。
2 各地域で交流(懇談)会を開き、生活、雇用、住宅などの避難者要求をまとめ国や京 都府・市、避難先自治体へ要請していく。
3 賠償請求の取り組みとして、
(1)区域外避難者への賠償を指針に盛り込ませる
(2)賠償請求相談会の開催
(3)区域内避難者の賠償請求を突破口に区域外避難者へつなげる
(4)原発ADRの積極的活用と京都(関西)への設置に取り組む。
4 放射能被害を拡大させない取り組みとして、あらたに「市民放射能測定所」の設立を大きく呼びかける。
by fukushimakyoto
| 2011-09-26 02:29
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