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【報告】10月27日・原子力損害賠償紛争審査会(原陪審)に申し入れ

みなさま
奥森です

 10月27日午後3時から、原子力損害賠償紛争審査会(事務局)に、下記の申し入れを行いました。事務局に寄せられた7名の避難者の手記を添えて提出しました。

 対応した事務官に対して、要請の趣旨を伝え、手記と一緒に原陪審委員に届けるように強く申し入れました。

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                               2011年10月27日

 原子力損害賠償紛争審査会 
   会長  能見 善久  様

                 うつくしま☆ふくしまin京都
                -避難者と支援者のネットワーク-
                事務局長 奥森 祥陽
                (事務局)京都府宇治市小倉町西浦33-16
              TEL090-8232-1664 FAX0774-21-1798


                     要 請 書
 
 当団体は、福島原発事故、東日本大震災により京都に避難してきている避難者と支援者でつくっているネットワーク団体であり、避難者の生活改善や、損害賠償に関する相談など様々な支援活動を展開しています。

 福島第1原発事故による放射能汚染は全国に広がり、福島のみならず首都圏においても多くの地域が汚染されており、多くの人が避難を余儀なくされています。
 京都府内の避難者は、京都府が把握しているだけでも10月26日現在で290世帯・792人(内、福島県からは219世帯・627人)になっています。放射能汚染の実態が明らかになるにつれ、栃木県や茨城県、千葉県などからの避難者も増えています。
 いのちを守るために放射能汚染地域から避難することは、まさに生存権の行使であり、憲法に保障された当然の権利です。
 国連人権委員会の「国内強制移動に関する指導原則」によれば、国内避難民には、「自然もしくは人為的災害の影響の結果として、またはこれらの影響を避けるため、自らの住居もしくは常居所地からのがれもしくは離れることを強いられまたは余儀なくされたもの」が含まれるとされています。
 つまり、放射能汚染により避難区域等以外から避難(以下、区域外避難)した人は、「自主的に避難」したのではなく「避難を余儀なくされた」のであり、当然賠償の対象としなければなりません。

 今回の福島第1原発事故は想定外の災害による事故ではなく、過去に多くの専門家、市民から危険性が指摘されていたにもかかわらず、これを無視し続けてきた結果引き起こされたものです。事業者である東京電力および事業を許可した国の加害責任は重大です。
 したがって、東京電力及び国は加害責任を負うものとして、今回の事故によって発生した被害の原状回復及び回復し得ない被害に対する完全賠償を行わなければなりません。

 以上の立場から、区域外避難者に対する賠償について、貴審査会が策定した「中間指針」について、下記の内容を追加、変更することを求めます。

                        記

1 避難区域等内外を問わず、賠償の対象とすること。 

2 様々な事情で避難することができず、被曝し続けている人に対しても賠償を行うこと。

3 精神的損害に対する慰謝料は低額に過ぎるので改善すること。期間の経過に伴う減額
 は見直し、増額賠償とすること。

4 区域外避難者の多くは母子避難であり、別居生活(二重生活)を強いられており、生 活費増加部分は、精神的損害に対する慰謝料とは別に賠償を行うこと。
by fukushimakyoto | 2011-10-27 15:00 | 避難する権利と賠償問題