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報告:原発事故から3年!普通の生活がしたい 避難・移住者がつくる第2回京都公聴会

 参加者 避難者10名 支援者30名
 
 3月7日、福島原発事故で京都に避難した人たちが国や地方自治体への要望を伝えることを目的とした「原発事故から3年! 普通の生活がしたい 避難・移住者がつくる京都公聴会」が開催された。初めに、公聴会を主催者を代表して「うつくしま☆ふくしまin京都」の、奥森事務局長が国と府市町村に対する要請書案を提案(要旨別掲)。福島県や関東から避難した母親6人が現在の生活上の困難や国などへの要望について発言した。

 福島市から京都市に子ども3人と避難している母親は「今は大家さんの善意で家賃を半額にしても
らっているが、夏の更新ではどうなるのかわからず不安」と訴え、家賃の補助を求めた。また、「お金がないから検査や治療を受けられないということがないよう」すべての人を対象とした健診や治療を要望した。放射能による健康不安は避難者に共通する。

 東京から京都市に子ども1人を連れて避難した母親は、公費による心電図、甲状腺エコー検査、血液検査の実施を求めた。「学校でやっている集団健診の項目を増やすだけでできる」と強調。汚染レベルに応じて福島県以外からも避難・移住の権利を認めるよう求めた。また汚染のひどい地域の子どもたちの保養を京都で受け入れることを一緒に考えてほしいと参加者に訴えた。

 いわき市から京都市に子ども2人と避難してきた母親は、(1)避難先での放射能に対する医療態勢と健康手帳の配布(2)自主避難者への経済的支援と放射能被害に理解のある相談員の配置(3)福島―京都間の交通費(高速バス等)の支援(4)復興予算による京都での復興住宅の建設などを求め、「もっと人びとの命、健康のために使われるべき」と訴えた。

 福島市から京都市に子ども1人と避難している母親は、「子ども被災者支援法」に盛り込まれたとおり居住・帰還・避難の権利を保障し、期限を設けない住居の提供、継続的な健康診断、移住者への雇用支援、継続的な心のケアを行うよう求めた。「震災前の生活に近づけるように力を貸してください」と訴えた。

 福島市から京都市に子ども3人と避難した母親は原発賠償訴訟の原告だが、同日午前の第2次提訴で夫と夫の両親、子ども全員も原告になった。「要望についてはみんなが述べたことと同じだが、一番の被害者は子どもたちだということを大人の責任として考えてほしい」と述べた。

 当日の司会を務めた一人も南相馬市から木津川市に子ども2人と避難した母親。避難者の問題は人権保護の問題であると強調し、「府災害対策本部のような部署に避難者を雇用し避難者に寄り添った相談や処理をする体制をつくることが必要」と訴えた。
 会場からは、障害のある高齢の母親を抱えての避難の困難についての発言、憲法の移転の自由は移転しない権利も含んでおり、原発事故で居住地を離れざるを得なくなったのは移転の自由の侵害にあたるという法律家の発言などがあった。

 最後に、主催した「うつくしま☆ふくしまin京都」の奥森事務局長が、「今日出された意見を取り入れた要請書修正案をブログにアップするので、一定期間意見をいただいた上で成案をまとめ、避難者の方たちにも同行いただいて国や地方自治体に要請に行きたい」とまとめた。

【要請書(要旨)】
◇年1㍉シーベルト以上の被ばくの恐れのある地域を支援対象地域とすること。
◇国の責任で希望する全員に放射能健診と必要な治療を無償で実施すること。
◇支援対象地域からの避難者に対して、期限を区切らずに無償で住宅を提供すること。
◇避難・移住者の総合支援窓口をすべての避難先自治体に設置し、避難者を担当職員として優先雇用すること。
◇国の責任で、避難先での雇用確保と実効性のある就労支援策を講じること。
◇別れて暮らす家族との面会のための交通費を補償すること。
by fukushimakyoto | 2014-03-10 00:00 | 主催イベント案内&報告