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【報告】避難・移住者がつくる第3回公聴会

避難・移住者がつくる第3回京都公聴会の報告

 3月22日(日)に避難・移住者がつくる『第3回京都公聴会』が、きらっ都プラザで開催されました。
『原発事故から4年 私たちを追い出さないで!今すぐ避難住宅の長期延長を!』というサブタイトルが示すとおり、原発避難者にとって最も差し迫っている「住宅確保」のテーマに絞った公聴会でした。

 避難者・移住者の方と支援者、約60名がつどいました。

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 最初に兵庫訴訟の津久井弁護士から「原発避難者の住まいの課題」と題した講演がありました。避難者の意向調査では、福島をはじめ、どこでも「住まい」が最大の不安要因であること。「1年先にどこに住むのか分からないようでは、生活の予定が立たない、仕事を決められない」こと。原発事故子ども被災者支援法では被災者の意見を反映するとなっているのに、全く実行されていないことなどの問題が示されました。
 その解決策として、限界のある「災害救助法」ではなく、一人ひとりが大事にされる『災害復興法』をつくることが提案されました。

 次に東京から家族みんなで参加された鴨下さん(避難生活をまもる会代表・東京訴訟原告団長)から、「原発事故による汚染、人権侵害と住宅支援(長期無償での避難用住宅提供を求める取り組み)」について報告していただきました。いわき市の自宅や勤務先を鴨下さんが調査された貴重な映像も見せていただきました。
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 メーターの針が放射能で振り切れるリアルさに、深刻な汚染実態が感じられました。
「放射能汚染が短期的に解消される目途はなく、いつ現状復帰できるのかわからない。放射能汚染から避難することは、安全に暮らすために当然必要なことであり、無償避難住宅の長期延長が必要である。」ことがよくわかりました。

 そして小学生の息子さんも発言され、心からの訴えに涙する参加者も多くいました。

 休憩をはさみ、うつくしま☆ふくしまin京都・奥森さんから『避難用住宅に関する要望書(案)』の提案をうけました。国、福島県、京都府・市に提出する要望書です。
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 新たに避難を決意する人への住宅提供の再開、住宅を無償で長期提供すること、生活状況に応じた住み替え、障がい者への当然の配慮、避難先自治体に災害復興住宅をつくること、これらの住宅支援を国の責任で行うことなどを求めるものです。

 参加された避難者からは、次々と切実な訴えが出されました。
 ご自身が障がいをもたれ、車椅子で生活されている鈴木さんは、「住宅提供打ち切り期限までに障がい者に対応した住宅を見つけられなかった。自費で避難せざるをえなかった。
 障がい者の権利条約にある『合理的配慮』に基づいて、住宅のことを考えてほしい。」と強く訴えられました。
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 避難者65世帯の自治会長をされている加藤さんは、避難生活の大変さの中で心の通うコミュニティをつくろうと努力をされてきたことや、自分たちの体験を訴え続けていきたいという思いを語られました。そして「京都は高浜原発から60キロ。誰でも避難を強いられる可能性はあります。ご自身のこととしてこの住宅問題をとらえてほしい。」と訴えられました。

 向島に避難されている高木さんは、娘の高校合格を喜びながらも、住宅の無償提供がなくなったらどうなるのか、「1年ごとの延長は、余命宣告を受け続けているような思い」がすると切々と語られました。「復興予算を無駄使いするくらいなら、京都に復興住宅を建ててほしい。」と訴えられました。
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 夜勤明けで参加された堀江さんは、「福島市の自宅は放射線管理区域と同じ。帰れない。おちついて暮らしたい。大家さんの好意で民間借上げ住宅に暮らしているけど、経済的にも精神的にもいっぱいいっぱい。住宅と仕事はセットでの支援が必要と思う。」と訴えられました。
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 他にも、参加された避難者の方から、「未来が見えないことは、心が崩壊してしまう。 空いている住宅に避難者を入れてほしい。行政に働きかけたい。」「住宅を切られるとどうしていいかわからない。福島の状況をわかってほしい。」「当事者の意見を聞いてほしい。」などの声がありました。

 放射能健康診断100万人署名運動推進京都実行委員会からは、「甲状腺がん多発の中で、国が命を守らない。でも、福島県の中で医療費負担を国に求める動きなど、声を上げれば変化生まれる。3月27日に集まった署名を提出します。」とアピールがありました。

 この公聴会には、国会議員からのメッセージが寄せられ、市会議員の来場アピールもいただきました。議員秘書の方なども参加いただきました。感謝いたします。

 最後に事務局の奥森さんから、「論議の中で出た意見を入れた要求書をブログでアップします」という提案があり、全体で確認しました。
by fukushimakyoto | 2015-04-07 15:17 | 主催イベント案内&報告