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原発賠償京都訴訟の概要

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# by fukushimakyoto | 2013-10-05 13:11 | 避難する権利と賠償問題

みなさま
奥森です。

9月17日に、33世帯91人が、国と東京電力を相手に損害賠償を求めて提訴しました。弁護団では、第2次提訴に向け、集団訴訟説明会を向島で行います。

ぜひ、お近くの避難者にお伝えいただきますよう、お願いします。

なお、京都では、10月20日に原告団を支援する会を結成する予定です。こちらの方はまた、改めてお知らせします。

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訴訟説明会in向島

国と東京電力に東電福島原発事故による損害賠償請求する訴訟の説明会・相談会/被災者支援京都弁護団

★日時 9月29日 日曜日 10時〜12時まで
★場所 京都文教マイタウン向島 (通称 MJ)


   アクセス•京都銀行向島支店 裏側向島商店街の一角、靴屋隣です。
   駐車場無し。
   近鉄向島駅より直進 徒歩12分

★当日必要な物は特にありません。

終了後は茶話会としMJをご利用いただけます。16時まで。
昼食などは各自でお願いします。
向かいはスーパーになってます。
( ´ ▽ ` )ノ
問い合わせ
07066899786
egaotunagarou@gmail.com
高木久美子まで

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

◆主催  被災者支援京都弁護団
 
原子力発電所事故により避難中の皆さまへ

 原発事故発生から2年以上が経過しましたが,政府や東電は避難者に対して抜本的な救済策を講じようとせず,特に自主避難者は事実上,放置されたままです。

 そこで私たち被災者支援京都弁護団では,国の政策転換を図ることを目的に、東京電力及び国を相手取った損害賠償請求訴訟の提起する必要があると考え、訴訟説明会・相談会を開催致します。参加は予約不要,無料です。

 当日、その場で訴訟の参加をお決め頂かねばならないというものではありません。
請求内容や今後の手続等についてご説明させて頂きます。皆さまのご不明な点やご不安な点等,何でもご遠慮なくお尋ね頂ければと思います。

 なお,お知り合いの避難者の方で,今回の訴訟説明会をご存知でない方がいらっしゃいましたらご案内いただければ幸いです。

 また,当日お越しになれないけれどご関心があるという方は,弁護団事務局までお気軽にお問い合わせください。


●被災者支援京都弁護団について

 東日本大震災を原因として京都へ避難されている被災者の方を支援するため,平成24年2月,京都の弁護士の有志によって結成された団体です。
 無料相談会や情報発信,ADR等を行っています。
 ベテランから若手まで多様な弁護士が所属しています(平成25年6月現在43名)。
 電話相談も受け付けておりますのでお問い合わせ下さい。

【弁護団事務局】
 ※受付時間:月~金9時~17時(電話連絡は申込後、折り返しご連絡致します)

〒604-0804 京都市中京区堺町通竹屋町下ル絹屋町120番地 田辺法律事務所内
          TEL:075-211-2270 FAX:075-211-5633
# by fukushimakyoto | 2013-09-29 10:00 | 避難する権利と賠償問題

奥森です。
本日(27日)発行の週刊MDSに「基本方針案」批判の記事をかきました。
うつくしま・・・のブログに転載させていただきました。
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被災者、避難者を切り捨て
政府基本方針案は撤回しかない!


 復興庁は8月30日、「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」(以下、基本方針案)を公表した。9月13日期限でパブリックコメントを募集(後に23日まで延長)し、十分な告知もないまま11日福島市内、13日東京都内で説明会を開催して基本方針案への同意取り付けを画策した。だが、基本方針案撤回を求める被災者、避難移住者の強い批判の前に、「撤回はしないが必要な修正はする」(浜田復興副大臣)と表明せざるを得なくなっている。


◎避難の権利認めた支援法

まず、本来この基本方針案がよって立つべき「原発事故子ども・被災者支援法」(以下、支援法)について振り返っておこう。

 支援法は「放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」(第1条)として、「低線量被曝による健康被害」を完全に認めたわけではないものの、「支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還」について被災者自らが選択する権利(選択的避難の権利)を認めた。さらに「いずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない」(第2条)とし、国は「被災者生活支援等施策を総合的に策定し実施する責務を有する」(第3条)と定めた。

 避難の権利を認め国の責務を定めたのは画期的である。

 また、国が原発事故による避難移住者に対して行うべき支援として、①移動の支援②移動先での住宅確保③こどもの移動先における学習などの支援④移動先における就業の支援⑤移動先の地方自治体による役務の提供を円滑にするための施策⑥支援対象地域の地方公共団体との関係の維持に関する施策⑦家族と離れて暮らすことになった子どもたちに対する支援⑧定期的な健康診断の実施、健康への影響に関する調査⑨被災者への医療の提供、医療費の減免⑩その他の施策(第9条)を明記したことも重要だ。

◎避難者切り捨て帰還強要

では、公表された基本方針案はどうなっているのか。

 第1に、「施策推進の基本的方向性」として悪質なすりかえとごまかしが行われた。
 基本方針案は「放射線による健康不安を感じている被災者や、それに伴い生活上の負担が生じている被災者に対し、基本方針に基づく支援により、被災者が安心して生活できるようにする」とする。聞こえはいいが、あくまで「健康被害」は認めず、「健康不安」という気持ち・心の問題にすり替えている。支援法には「一定以上の放射線量が計測される地域に居住していた子どもとそれに準ずるものに対する健康診断は生涯にわたって実施する」(第13条)とされているが、基本方針案には健康診断と医療補償について全く記載がない。

 第2は、「支援の対象地域」が著しく狭い範囲に限定され、被災者、避難者の切り捨てと分断を図っていることである。
 基本方針案は「原発事故発生後、相当な線量が広がっていた福島県中通り・浜通り(避難指示区域等を除く)を法第8条による『支援対象地域』とする」とした。対象地域は福島県内33市町村のみに限定し、会津地方をはじめ東北や首都圏の放射能汚染地域については含めなかった。支援法第8条は、放射線量が一定の基準以上の地域を支援対象地域とすると規定している。ところが基本方針案は、政府自らが法で定めた基準「公衆の年間被曝限度1ミリシーベルト」すら投げ捨てた。

 また、支援法にはない「準支援対象地域」なるものを持ち出し、「より広い地域で施策ごとに支援すべき地域と対象者を定める」とした。どの地域が、どういう施策が対象になるのかも、いっさい明らかにされていない。

 すでに福島県民に放射能汚染による小児甲状腺がんをはじめ健康被害が多発しているにもかかわらず、支援対象地域を恣意的に狭く設定した。それは、県内外にさらなる分断を持ち込むもので、決して認めることはできない。

 第3は、施策の基本的事項の根本的な不備である。施策のほとんどは、支援法実施先送りのための「避難者支援施策パッケージ(3月15日発表)」で出されたものだ。それ以外は「福島近隣県を含めた外部被ばく状況の把握、自然体験活動、民間団体を活用した被災者支援施策といった施策の拡充・検討予定」とお粗末きわまりない。

 支援の具体的内容は帰還促進に特化したものとなっている。支援法では避難移住者に対する施策を国の責任で実施することになっているが、基本方針案では完全に無視されている。避難を余儀なくされた人たちを切り捨てる棄民方針なのである。

◎撤回し作り直せ

 基本方針案は、支援法に定める支援対象地域の考え方を否定して恣意的に狭く設定し、放射線被曝による健康被害を認めず、避難移住者の要求を切り捨てるものである。施策も帰還を促進する支援が中心であり、評価することはできない。国連「健康に対する権利」特別報告者アナンド・クローバー報告(5月23日)を完全に無視したばかりか、支援法そのものにも違反する。
 こんなでたらめな基本方針案は撤回しかない。

 とはいえ、支援法成立以降、実施を一貫してサボタージュしてきた復興庁がこの時期に基本方針案を出さざるを得なくなった。それは、被災者、避難移住者が全国で声を上げ、院内集会、避難者による公聴会の開催、裁判闘争、地方議会での意見書採択など、粘り強い闘いに政府側が押し込まれていることを意味する。
 
基本方針案を撤回させ、健康診断、医療・生活補償など被災者、避難者の要求を盛り込んだものへと一から作り直させるため、政府・復興庁に譲れない要求をぶつけよう。
# by fukushimakyoto | 2013-09-27 18:00 | 報道関連

認めろ!避難の権利 守れ!子どもの未来
原発賠償京都原告団・萩原共同代表の訴えです。

 弁護士の皆さんを始め、関西在住の皆様。いつも私達の心の支え になり、寄り添って下さり有り難うございます。

 失ったからこそ気が付いたのです発事故が起こるまでの間、福島 で家族四人平凡ですが幸せな日々を送っていました。

 我が家は築10年ですが、気分は新築同様で、ただそこに居るだけ で、身も心も癒される空間がありました。子供達が生まれて立っ て歩いた思い出深い、とても愛しい家でした。 あと10年住宅ローンを払えば、百年住宅でしたので私の孫・曾孫 の代まで、家賃無しで住めたはずです。

 我が家も含め、どれ程の人々が原発事故で、健康・精神・経済的 にどんなに苦しんでいるか、はかり知れません。 しかも、これからもっともっと苦しみは深刻化していきます!

 福島集団疎開裁判では「避難させてほしい」という子どもたちの 求めが却下されてしまいましたが、裁判所が認めてくれた事もあ ります。

〇郡山市の子どもは低線量被ばくにより、生命・健康に由々しい事態の進行が懸念される。
〇それを回避するためには、安全な他の地域に避難するしか手段がない。
〇「集団疎開」が危険を回避する1つの教育行政上考慮すべき選択肢である。

 それにも関わらず、国が疎開させる必要がないとなってしまった のは私達大人の声がまだ小さかったからです。 国が真実を語ってくれないから声が出せないのです。

 国会議員と子供被災者支援法の勉強会では、母親達の悲痛な叫び が上がりました。 原発事故後約2年近くは子供達にマスクをさせる。お弁当を持っ ていかせる。長袖長ズボンを着せる。などして我が子を守るお母 さん達が極少数でしたが、いました。

 子供達も、そのお母さん達 の思いを汲んで、他の大多数の子達と違うそれらの事をして自分 の身体を守ってきました。

 しかし事故後、2年を過ぎる頃には、それらをしないと将来、恐 ろしい健康被害にあうかもしれないと分かっていても、他の子達 と違う事をして自分の身体を守るという事が、出来なくなってし まいました。 先生も「ちょっとおかしいから、マスクを外しなさい」と簡単に 言ってしまいます。でも、そんな福島の先生を責める事も出来な いと思うのです。先生も、真実を知らないからです。 子供達は、その空気を読み、他の子達と同じ事をする事で、身体 は守れないと分かっていても、心を、精神を守ろうとするんで す。懸命に子供を守ろうとしていた母親達もそんな我が子に「そ れでもあなたは一人で頑張りなさい」と言えなくなってしまいました。

 私が原発事故後数回、郡山に帰って感じた事は、役所を含めた地 元の大部分の方々が表面的な報道しか見ていない。「漠然とした 不安を感じながらも、福島でやっていくしかない」と思っている 事です。 ですから、心ある議員さん達と、「真実を知っている私達が真実 を語っていくしかないね」と、決意しました。 しかし、心を許しあっていたはずの地元の人に真実を伝えると、 回を重ねる事に、心の距離が拡がっていくのを感じます。これが、まさしく分断なのだと感じました。 関東を含む被災地の方々に直接言ってもダメなら、そこから遠く 離れている私は、こちらで出来るだけの事をしていきたいと思い ました。 その内の一つが裁判だと思うのです。

〇国民に真実を知らせない事が許せません。
〇「加害者ではない」と言っている事が許せません。
〇被災地に残っている多くの人々にも、避難者の人々にもキチン とした支援をしていない事が許せません。

 「安全な所から勝手に避難してきた人」と思われ、どれ程の人々 が悔し涙を流した事でしょう!今回の裁判は、それを覆す裁判で す。 この裁判の意義は、大きく分けると2つあると思います。

①東電と国が被告席に座る事。
②被災者を見捨てずに共に歩んで行く事が全ての国民の未来を守 る事になる。その事を国民の皆さんが知る機会になる事を望みます。

 京都では一人あたり550万円の賠償請求をします。原発事故で失っ た物の大きさを考えたら、この金額は微々たるものです。これが 無いと困るのは確かですが・・・・・それと共に、この裁判を通 して、実現したい事があります。 被災地の方々が声を上げられないのなら、遠くの私達が代わりに 裁判という形で声を上げ、被災地の方々が声を上げられるよう に、「避難させて!マスクをさせて!」と言えるような環境作り をしていきたいです。 回り回って被災地に残された人々が少しでも安全に導かれていか れますよう、願わずにはいられません。 原発事故から27年経ったチェルノブイリでは現在の関東と同じく らいの線量の年間1ミリシーベルト以下の所でも、健康被害が出て います。にも関わらず、国は年間20ミリシーベルト以下の所は 帰ってこいと、言うのです。

 健康診断ですが、県外避難者はもとより、被災地に残された人々でさえも、一次検査、二次検査共になかなか順番が回ってこない 状況です。通常の甲状腺ガンと違って、化学的放射能によるもの は、例え発見時に小さなのう胞や結節だとしても、見つかった時 には転移している事があると聴いた事があります。関東も含め、 一刻も早い健康診断と治療が求められるのに、国の棄民政策の為、それもままなりません。

 一つ、誤解を避けるためにお話しさせて頂きたい事があります。 避難を強いられた自分達と同じく関東も含む被災地で頑張ってお られる方々も国と東電の被害者です。この訴訟を被害者の分断に利用されたくはありません。

 広島の原爆で被曝された方が、「裁判は絶対に早くやった方が良い」と言われていました。その方は「裁判を起こしたのが遅くて 後悔している」「証拠はだんだん無くなってくる」と仰っておら れました。

 出来るだけ沢山の方々が直ぐにでも裁判をされる事を切望します。

 被曝の真実を知っている被曝された方々は、広島、長崎の時と同じように一生、被曝の恐怖に怯えて 暮らさなければならなくなりました。

 しかし皆様の心に留めておいて頂きたい事は、今の日本に住んで いる限り、空気や食べ物、建材など、様々な形で大なり小なり、全ての国民が被曝者であるという事です。

 今も、放射性物質が飛散し、その事態が収集出来ていないのは事実です。
 さらに、その健康被害は世代を越えて受け継がれていくという、本当に恐ろしい性質を持っているのです。私達だけの問題でこの裁判をやっているのではありません。被災者だけの問題ではなく、全ての国民の問題なのです。

 どうか、私達を孤立させないで下さい。
 西日本にいれば、今はまだ、比較的安全な食べ物を選んで食べる事が出来ます。しかし安全な食べ物を作って下さっている生産者の方々が放射能に気を付けずに食事をされ、病気になる方々が多くなったら、安全な食べ物はドンドン先細りしていきます。

 放射能に気を付けずに食事をされている方々が数年、何十年後かに病気になったとしても、その方々はそれが放射能が大きな原因の一つである事にも気が付かないでしょう。

 被災地の物を食べて応援と決めた方も、私のように食べないと決めた方も、その結果、被災地がどうなるのか、日本がどうなるのか!に思いを馳せ、日本全体が安全で平和になるよう行動して頂ければ幸いです。

 被災地の物を食べる人がいれば、被災地の生産者の方々は作っていいのか、悪いのか悩みながら罪悪感を感じながら作る事もあるでしょう。しかも安く買い叩かれてしまいます。そして被災地では地産地消で大人はモチロン子供達も汚染された食べ物を食べる事を強要されます。食べて応援する事は、本当は避難しなくてはならない程放射能に汚染された被災地に人々を留まらせる事になるのではないでしょうか?
関東を含む被災地がこのままの状態だったら、健康な人が激減するでしょう。

 病気の人が増えたら、健康保険料が上がります。介護される人が増えたら、介護保険料も上がります。特定疾病手当てを受ける人も、生活保護を受ける人も、増えるでしょう。

 放射能の影響で出生率も更に下がると言われています。
 健康で働ける納税者が減ったら、年金、教育費、子ども手当、高齢者手当て等々、思いもよらぬ国民生活のあらゆる所へ皺寄せがいくのです。

 被災者だけの問題ではなく、全ての国民の問題なのです。

 3.11以前、この国では一般公衆の被曝は年間1ミリシーベルト以下に規制されていました。ところが、今、国は年20ミリシーベルト以下になれば帰ってこいと言っています。

 これを許せば、国は今回の対応を前例にして、なし崩し的に国民人一人の権利をないがしろにしていくでしょう。

 どうか、私達を孤立させないで下さい。

 福島棄民政策というよりも、国民棄民政策なのではないでしょう か?

 東京オリンピックが決まりましたが、このままでは日本が世界の信頼を失うのも時間の問題なのではないでしょうか?

 裁判と一緒に「健康診断署名」「食品の安全を求める運動」「除染、焼却に伴い、避難地域を解除させない運動」等と一緒にやっ ていく事が非常に大切です。

 私達は、これまでも家族を守る為に様々な発信をしてきました。この国の未来の為、世界の為、 色々やってきました。

 しかし、私達の力だけでは到底足りません。

 私は活動の為、余りにも忙しく普通の生活が出来ません。街を歩くと普通の親子連れを見かけます。私だって、子供たちともっとしっかり 向き合って、お喋りしたり、一緒に遊んだり、お風呂に入ったり、普通に暮らしたいです。

 国民の多くが真実を知らないが故に非人道的な事が罷り 通ってしまいます。皆様の身近な所で、被災者のお話し会を開いて下さいますよう、お願い致します。この裁判には多くの大きな意義があります。
国民の皆様お一人、お一人がご自分の問題として捉え裁判の傍聴等で、もっともっと私達の声を聴き、被災者を応援する事で、この国の民を一緒に守って下さい。お願い致します。

2013年9月17日
萩原ゆきみ
# by fukushimakyoto | 2013-09-18 18:00 | 避難する権利と賠償問題

認めろ!避難の権利 守れ!子どもの未来
原発賠償京都原告団・福島共同代表のごあいさつです。

1 2011年3月11日15時37分、東京電力の福島第1原子力発電所1号機の全交流電源が喪失、その後、各号機も同様に全電源を喪失し、放射能汚染という大事故を引き起こしました。2年半が経った今も、放射能により汚染された水の漏出が起きています。事故検証も進んでいません。

 私は事故直後、2人の娘を連れて、車中泊を繰り返し、福島から京都へ来ました。戦争が起きたら、こんな感じなのだろうかと思いました。当然ですが、福島での勤め先はやめざるを得ませんでした。京都に来てから、子ども二人を抱えて必死で就職先を探しました。今はなんとか働けていますが、京都府からの住宅支援がなくなったら、生活が成り立つのかどうかはわかりません。それでも子どもたちに負担をかけさせるわけにはいきません。

 こんな苦労しているのは、私だけではありません。私たち家族のように、この原発事故による避難者は、現在も15万人を超えています。みんな、海も田畑も仕事も家族の団らんさえも、奪われました。私たちのかけがえのない『ふるさと』が汚され、子供たちに甲状腺がんが増加し、日本のみならず世界中の食べ物には放射能を含む物質が検出されるようになりました。私の大好きだった福島は、あの日から、世界中で有名になり、それまでとは全然違うニュアンスで呼ばれる地名になりました。あのなんでもなかった景色が、もう二度と戻ってこないんだと、事故から2年半たった今でも、言葉にできない思いになります。


2 また、私たちの苦しみは、避難をすれば終わるわけではありません。国の身勝手な区域設定に縛られ、被災者同士が争うこともあります。ADRで賠償請求しても、これは損害ではないと言われ、何とか払ってもらうために必死に主張し、この長丁場を耐え、それでも私たちの主張は聞き入れられません。まるで、私たちが何か間違ったことをしているかのようです。私たちが頭を下げている状態です。私たちは、何か間違ったことをしたのか、なぜこんなに生活が変わってしまったのかと、誰かに聞きたくなります。

 私たち避難者は、生きていくために必死です。家族が崩壊した家庭もあります。心が疲れてしまって病院に通っている知人もいます。収入が半分以下になった家庭もあります。そうやって、私たちが歯を食いしばっている間に、大幅な電気料金の値上げを簡単にやってのけ、原発再稼働の申請をする東京電力の経営には、疑問をぬぐえません。

 人類最新の科学をもってしても制御できない、また、生じる放射性廃棄物の処分すら決められない原発を、今後も継続したいと言うなら、われわれ被災者に対し、事故責任の真相を明らかにし、謝罪をするところから始めるのが筋ではないでしょうか。これは、被災者のみならず国民一人一人の思いだと確信いたしております。


3 そして、司法は今後、私たちの基本的人権を、本気で擁護しなければなりません。東電も政府もあてにならない今、私たちが頼れるところは、司法しかありません。政府から独立し、きちんと何が正しいことなのか、ちゃんと判断して欲しいです。本当にたくさんの被災者が、司法に祈るような気持ちで期待をしているのです。私なりに原発のこと、放射線物質の基準値のことを学びましたが、やはり経緯を見れば、どう考えてもおかしいです。

 しかし、検察は東電の取締役には誰にも過失はなかったと判断しました。また、裁判所はゴルフ場に対して「この程度の放射線なら営業に支障はない」と判断しました。裁判所は、ちゃんと現状を、現実を見てください。被災者や日本に住む人々に対する冒涜ともとれる司法判断が、これ以上続いてはなりません。

 原発事故のあったあの日から、私たち被災者の心は、放射性物質が浸み込んだ土壌よりもずっと根深く、汚染が進む地下水の様にじわじわと大きくえぐられ、疲弊し、この提訴にすがるより手段はありません。頑張るしかありません。

 裁判所はどうか、民意に耳を傾けてください!これをお聞きの皆さんにも、どうかご協力をよろしくお願い申し上げます。
                
平成25年9月17日 
京都集団訴訟原告 福島敦子
# by fukushimakyoto | 2013-09-18 17:46 | 避難する権利と賠償問題